お家のシロアリ対策
日本では、お家の多くが木造です。近年では鉄骨を使用した建物も増えてはいますが、現在のところ、戸建て住宅の約8割以上が木造建築となっています。
その理由として、日本が地震大国であることが挙げられます。木材は非常に柔軟性に優れているため揺れを逃がしやすく、地震などにも耐える丈夫な建物を作ることができます。
シロアリの事前対策の重要性
しかし木造の建物にとって大敵なのがシロアリによる被害です。一度シロアリに食べられてしまった木材は、本来の耐久性を発揮する事ができなくなってしまうからです。
また、シロアリは木材を中から食べ始めるので被害の発生が見えにくく、発見が遅れやすい特徴があります。
そのため、気付いた時には被害がだいぶ進んでいるケースが多いものです。
そうなってしまうと、シロアリの駆除費用だけではなく、木材の修繕費などが発生してしまい、高額な工事費用がかかってしまうケースも少なくありません。
シロアリの被害に遭う前に、前もって『防蟻工事』を行うことが大切です。
シロアリはどんな生き物?
【シロアリの生態】
実はシロアリはアリの仲間ではありません(台所などに出没するゴキブリに近い生物です)。そのため生態もアリとは異なり光や風、乾燥を嫌います。移動方法もよく見かけるクロアリとは違い、暗くて風の影響がない地中を移動します。なので、私たちが普段生活している中で見かける機会は滅多にないでしょう。
【シロアリの好物】
シロアリは水分を含んだ木材が大好物です。そのため湿度が高く、餌になる木が豊富な床下を好みます。しかし、シロアリはとても食欲旺盛なため、栄養分を含まない断熱材などもかじられるという被害も報告されています。
シロアリ対策の防蟻工事とは?
シロアリの被害を予防するのに欠かせない防蟻工事ですが、実際にどのような作業をするのかわからない方も多いと思います。
どのような作業をするのか、ご説明させていただきます。
作業内容
床下の地面や木材に専用の薬剤を散布させていただきます。弊社では散布する薬剤に、ホウ酸を用いる防蟻工事をお奨めさせていただいております。
ホウ酸について
ホウ酸は、シロアリ対策としてよく使用される薬剤です。シロアリだけでなくゴキブリなどの虫類にも効果があります。しかし、人間やペットなどには完全無害の成分となっています。人間などがホウ酸を摂取した場合、肝臓の働きで排出されますが、肝臓がないシロアリなどの虫類は排出することができず死んでしまいます。つまり、私たちが普段生活するお家に使用する薬剤としては、ホウ酸はベストなのです!
シロアリ被害の危険度チェック
シロアリの被害を受けても気づくことは、非常に難しいと思います。しかし被害のポイントを知っていると、早期発見に繋がる可能性が高くなります。そこで、シロアリ被害のセルフチェックの方法をご紹介します。
1.蟻道がある
シロアリは光や乾燥を嫌う為、地上を移動する際に「蟻道(ぎどう)」と呼ばれる通り道を作り、その中を移動します。基礎の周りに蟻道がないか確認しましょう。
2.床がきしむ
シロアリは、暗く湿度が高い、床下の木材(床材)を食べるケースが多いです。被害にあった木材は隙間ができ、スカスカになるため、その上を歩くと軋みます。
3.過去に雨漏りや配管などの漏水がある
シロアリは水分を含んだ木材が大好物です。
過去に雨漏りなど水を被った場所が乾燥しきっておらず、シロアリの餌になる可能性があります。
4.柱などの木を叩くと、空洞音がする
シロアリ被害にあった木材は、中身がスカスカになります。叩くと、「ポコポコ」と軽い音が鳴ります。
5.近くでシロアリが出た
シロアリの行動範囲はとても広く、種類にもよりますが、地中を100メートル近く移動するシロアリもいます。近隣様で被害があった場合は、一度床下の点検をお勧めします。
6.防蟻工事を一度もしたことがない
シロアリの発生率は、築年数が増えるごとに上昇します。新築時で5%、築10年で10%、築20年以上で30%前後になると国土交通省からの統計がでています。
7.庭に廃材などを放置している
庭などに廃材を放置するとシロアリなどの餌になり、近くに潜伏している可能性があります。
複数の項目に該当する場合は、シロアリの被害に遭っている可能性があります。早急な対応をお勧めします。