お家の劣化症状

お家の塗替えのタイミングは10年から15年ごととされています。外壁と屋根を保護している塗膜は、紫外線・雨水・熱・大気中の汚染物質などの影響で、徐々に劣化が進行してしまうからです。
塗膜が劣化していない間は、その下の外壁や屋根が直接ダメージを受ける事はありませんが、経年により塗膜の劣化が進行してしまうと、外壁と屋根を保護することができなくなります。

普段目につかない屋根は、建物を守る役割がより大きく、常に紫外線や雨水が当たり続けています。ですので、外壁より劣化しやすい傾向があります。
今回は、紫外線・雨水・熱・汚染物資などの影響で起こる、劣化症状をご紹介します。

① 外壁と屋根の汚れ・色褪せ

外壁や屋根の表面塗膜が劣化すると、水を弾く力、撥水性が低下します。塗膜の撥水性が低下することで、汚れが付着しやすい状態となってしまいます(※)。湿気が多く風通しの悪い場所では、汚れからカビやコケなども発生しやすくなります。
また、経年劣化により、元の色が色褪せてきます。汚れの付着や色褪せは、塗料の機能低下に繋がり、劣化の初期症状の1つです。

経年劣化による退色が見られる外壁

② 紫外線劣化

紫外線などによる劣化が進んだ屋根の画像

塗膜の劣化は、主に紫外線によって引き起こされます。紫外線の影響は、私達は日焼けで実感することが多いですが、物質を形成する分子の結合を破壊する作用があり、外壁や屋根の塗膜に含まれる物質も、紫外線によって徐々に破壊され、塗膜が劣化していきます。特に紫外線の影響を受けやすい屋根は、早期劣化に繋がりやすい箇所となっています。

③ チョーキング現象(白亜化現象)

経年劣化によりチョーキング現象が発生した外壁の画像

チョーキングとは、外壁を触った時に、手に色の粉が付着する状態をいい、塗り替え時期のサインとされています。色の粉は、塗料の色成分である顔料が分離したものです。
紫外線や雨水などの影響を受け続け、表面塗膜が劣化してしまった塗料は、顔料が粉状になって表面に露出してくるのです。
チョーキング現象が起きたタイミングで塗り替えを検討していただくと、その先の大きな劣化を予防できます。
早期の対策がお家を丈夫な、価値の高い状態で長持ちさせられるのです。

④ ひび割れ

地震などの大きな揺れや、建物の振動の影響で、外壁にひび割れが生じることがあります。
ヘアークラックと呼ばれる幅0.3㎜未満の小さなひび割れは、簡単な補修で済ますこともできます。しかし、0.3㎜以上の大きなひび割れが起きた場合は、重度の劣化であるので、早急に対応する必要があります。大きなひび割れを放置しますと、その箇所から毛細管現象が起こり、隙間から雨水が内部へ伝わります。
毛細管現象は、少しの隙間から重力に関係なく液体が浸透していくため、小さなひび割れでも雨水が浸入する原因となります。
ひび割れ箇所には塗装をする前に正しい補修を行う必要があります。しっかり補修を行うことで、今後のひび割れを抑制できます。

⑤ 塗膜の膨れ・剥離

塗膜の膨れは、雨水がひび割れや隙間から塗膜の裏側に回ってしまい、外に逃げようとして起こります。膨れている箇所に紫外線などが当たる事で膨れが割れ、その箇所の塗膜が?離し、外壁の素地が露出してしまいます。
素地には撥水性(水を弾く力)はありませんので、水分を吸収しやすく、雨漏りなどに繋がってしまいます。
外壁の素地が露出した時には、早期に塗り替えを検討して頂く必要があります。

劣化により塗膜が膨れ、壁から剥離した状態